
PAUL McCARTNEY MANY YEARS FROM NOW
バリー・マイルズ著
先日のジェーン・アッシャーについての文章を書くとき参考にしたのがこの本です。ポール・マッカートニーが自身のこれまでの人生について語った自伝と言える内容の本で、10年前にロッキング・オン社から日本版が出ました。著者のバリー・マイルズはポールの旧友であり、彼が執筆していることでこの本がより内容の濃い、充実のバイオグラフィーになっていると思います。索引まで入れると859ページというとても分厚い本ですが、ビートルズ・ファンにとってはとても多くの発見がある本です。
ポールの誕生から90年代の活動までの内容で、メインはやはりビートルズ時代。ジョージとの出会い、ジョンとの出会い、リヴァプール時代からハンブルグ、ブライアン・エプスタインとの出会い、ジョージ・マーティンとの出会い、リンゴ加入、デビュー・・・と流れとしては他のビートルズ研究本などでも書かれているようなビートルズの歴史を追ったものですが、何よりこの本はポールの回想を元に書かれており、全ての歴史が『ポールの視線』から見たもの、という点が他の本とは違うのです。どんどんスターダムにのし上がっていく中でポールがどう思っていたのか、名曲の数々がどうやって作られていったのか、ビートルズのアルバム制作とはどういうものだったのか、ポールと他の三人の関係はどうだったのか、ポールにとってビートルズとはなんだったのか・・・そういった、ビートルズ・ファンなら誰でもポールに聞いてみたかったような話がここでは語られています。「Lennon/McCartney名義のあの曲は実際どっちが書いたのよ?」そんなことまでポールは教えてくれます。ポールの意見としては、という前提のもとに。
そして特筆すべき点としてこの本には『SWINGING LONDON』の狂騒が当事者のひとりであるポールによって語られているのです。ビートルズの4人のうちジョンは最初に結婚して子供もいましたし、リンゴとジョージも結婚して、ビートルズの中期以降はポールを除く3人は家庭を持って郊外の豪邸に住んでいました。その頃独身のポールはというとロンドンの中心に住んで文化人やアーティスト達との交流を持ち続けました。恋人ジェーンの兄のピーター・アッシャーを通じて友人になった、この本の著者であるバリー・マイルズもそのひとりです。この本には当時ポールが出会ったロンドンのアート・シーンの中心人物たちが次々登場します。スウィンギング・ロンドン時代のアーティスト達について知りたい方にもこの本はおすすめです。
本編最後の第14章、タイトルは「ジョン」。ポールが語るジョン。この章はビートルズのファンなら涙せずにいられないと思います。私は特に最後のポールのコメントに感動しました。ジョンとポール、運命的に出会ったふたりの天才の、ふたりにしかわからない関係、お互いへの思い。ポールがこの本でしっかりと語ってくれているのが嬉しいです。

2008.07.14 Mon 11:07 BOOKS comments(0)

























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